「へぇー」

「もうずっと会ってない幼なじみなの…小さいときからの片思い…ずっと好きなんだ…」

そう呟いた穂波の横顔は、すげぇ綺麗だった。

「一途なんだな…」

「うんっ、でも多分あっちは忘れてると思う…あたしもあだ名しか覚えてないの。近くにいるんだけど恥ずかしいやら何やらで会ってないし」

「そうか」

穂波は少し寂しそうな顔をするとニッコリした。

まるで寂しさを紛らわすように。

「じゃあ、あたし帰るね」

「あ、ああ」

穂波はスッと立ち上がると足早に立ち去った。

俺も帰るか…そんで流石に幼なじみに会いに行くか。

ほったらかすのはもうヤバイしな。