『お前、つまんねぇから』

『バッカじゃねぇの?お前なんか好きになる訳ねぇじゃん』

『ちっ、友達と賭けてたのにな〜お前オチないし、いらね』

誠也の言葉が胸に突き刺さる。

苦しい…。

苦しいよ、誠也…。

ずっとずっとあたしがオチるか、友達と賭けてたの…?

さっきの好きって言葉も嘘だったの…?

凄い…嬉しかったのに…。

信じてたのに…。

付き合えなくても、それでも嬉しかったのに…。

何で…何で………。

あたしが無言で突っ立っていると、誠也は冷めた声を出した。

「つーか目障りだから。俺あっち行くわ。逆ナンでもしてろよ」

誠也の一言一言が痛い…。

「あぁ、忘れてた」

誠也はそう言うとあたしに近付き、そして…。

「んっ…!?」

キスをしてきた。

嫌…嫌、こんなの。

初めてのキス。

しかもずっと好きだった人のキス。

本当なら凄く幸せなはずなのに…。


私は辛かった…。

涙が溢れ出した。

唇を離した誠也は「うぜぇ女…」と言ってあたしからどんどん離れていった。

やだ…行かないで誠也…。

嘘だよね?

賭けてなんかないよね?

さっき言ってくれたよね?

好きだって…。

あたしも好きだよ誠也…。

何で…?

あたし、どーしたらよかったの…?

付き合えばよかったの…?

ビンタしなきゃよかったの…?

さっき一瞬だけ見せた悲しそうな顔は何だったの…?

ねぇ、戻ってきて…。

戻ってきて意地悪な笑顔で『バーカ、冗談だよ』って言ってよ…。

ねぇ…誠也……。

あたしがあの時『付き合ってください』って言ってたら、どーなってた?

戻ってきてよ誠也…。

あたし………。

「こんなの、やだよぉ…」