着替え終わると、誠也と雅樹はすでに泳いでいた。

「ぷはっ!せ、誠也速い…!」

くたくたの雅樹を見下ろしながら誠也はニヤリとした。


く、黒い…。


「バーカ、お前なんかと一緒にすんな」

「なっ!?何だよその見下した言い方!ムカつくー!!!」

「ふっ…負け犬の遠吠えのつもりか?」

明らかに誠也は上から目線。

雅樹は「くそー!」と悔しがっている。

誠也がやっとあたし達に気付いた。

あたしをじっと見つめている。

あたし…変なのかなぁ?

「誠也?あたし何か変?」


「ん?いや……可愛い…」


「へっ!?!?!?」

かかかか可愛いっ!?!?

あたしは思わず真っ赤になった。

誠也はハッとしたような表情になるとあたしより真っ赤になった。

「えっ…あっ…いや…」

もしかして誠也…意識せずにポロッと言った…?

あたしは真っ赤な顔で笑顔になった。

だって凄い嬉しかったから。

「ありがとう!」

「ど、どう致しまして」

誠也が赤くなって俯くと愛美は怒り気味に言った。

「ちょっと誠也〜あたしは!?」

「え?可愛いよ?」

「ありがとう♪」

あれ?誠也真っ赤になってない。

何でなんだろう?

じっと見つめて誠也と視線が合うと、誠也は雅樹の腕を掴んだ。

「い、行くぞ雅樹」

「よし、次は勝ぁーつ!」


ぁあ…周りの視線が凄い。

誠也も雅樹も美形だしね。

ほら、水も滴るいい男ってやつ。

「あたし達をおいてきぼりにするなぁ〜」

愛美が拗ねて誠也達にぶーぶー言っている。

うーん…あたし、何か忘れているような……。

…あぁ、しまった!

忘れてたーっ!