「誠也君に知られたら困るもの」
「は?何でよ?」
すると皆怪訝そうにした。
そして馬鹿にしたようにあたしを見た。
「あんた何で呼び出されたか分かってんの?」
「何か話があるからでしょ」
「何だ、分かってるんじゃない」
あたしは少しムッとした。
人を馬鹿にしたような態度は1番嫌い。
あたしは溜め息をついた。
「話があるなら早くして下さい」
先輩がニヤリとした。
「簡単よ?左藤君と別れてって話」
はぁ?
あたしはカチンときた。
「何であたしが誠也と別れなきゃいけないんですか」
「あんた自分が何したか分かってんの?」
え…………?
あたしは思わず固まった。
それを見て皆は微笑を浮かべた。
「最低よね。亮君と付き合ってた癖に」
「亮君も鮎川さんも傷つけて誠也君と付き合って」
「自分さえ幸せならいいのね」
「人の心の傷わからないの?」
「亮君も誠也君もあたし達の憧れだった」
「それを弄ぶなんて最低」
一言一言が胸に突き刺さった。
全部、言われても仕方ないから………。
でも、それでも…!
あたしは皆をまっすぐ見た。
「それでもあたしは誠也が好き。だから別れない」
「!」
皆が不意をつかれた顔になる。
そしてみるみる怒りの表情になった。
「あんた生意気。だったら嫌でも別れさせてやる」
「何を…きゃ!」
いきなり突き飛ばされて前に転ぶ。
そしてそのまま押さえ付けられた。