ガチャ…バタン

「はぁ…」

部屋に入った途端感嘆がもれる。

今日は嬉し過ぎる。

確かに、アヤとの騒動もあったけど、あの出来事に比べれば何でもない。

そう、佐奈の彼氏になった。

ヤベ、俺幸せだ。

そう幸せを実感してるときだった。

バァンッ!

「うぉっ!?」

すげぇデカイ音が響く。

え、何事!?!?

俺はイスから立ち上がり外を見た。

「ん?」

佐奈の家のドアが開いている。

そしてそっと佐奈を探した。

「え…」

下では、佐奈と亮が、キスしていた。

更に抱き合い、亮が笑顔で去り、佐奈はずっと見送っている。

どういう事だよ!?

俺はかなりショックだった。

亮と、あんなにいちゃついて…。

しかも、俺の時は拒否したのに、亮の時は、すげぇあっさりしてた。

佐奈の気持ちが、わからなくなった。

佐奈は…俺じゃなくて、やっぱり亮が好きなんじゃねぇの?

佐奈がやっと家に入る。

「くそっ…!」

俺はすげぇむしゃくしゃした。

近くにあったベッドを蹴る。

その時だった。

PRRRRR… PRRRRR…

家の電話が鳴る。

急いで子機で出た。

「はい、もしもし左藤です」

「あ、誠也〜?」

声からして、多分女。

しかし誰かわからない。

「えーと…どちら様ですか?」

「えぇっ!?あたしだよ、愛美〜」

「あぁ、愛美か」

そう言われてみれば愛美だ。

愛美独特の高い、透き通る声。

見た目はちょっとギャルだけどな?

中身とかはすげぇ純粋。

正直、俺もビビった。

「どうかしたのか?」

「んー?逢いたくなっちゃって、来ちゃった♪」

「…は!?」

ちらっと窓を見た。

その時。

ピーンポーン

誰か来た。

とりあえず受話器を置いて玄関に向かう。

誰だか分かるが…一応聞いておこう。

「どちら様ですか?」