「おはよー」

「おはよー。ねぇねぇ昨日のバラエティー番組のさぁ〜」

「あれウケた〜!」

「今日帰り合コン行かねぇ?」

「俺彼女できたから〜」


只今、俺は登校中。

周りで明るい声が飛び交う中、俺は昨日ゲーセンではしゃぎ過ぎて気分は最悪。

気候はムカつく位の晴天。

このクソ蒸し暑いのに晴天なんかになるなよ。

地球温暖化め…!

「くそ…あっちぃな」

しかも寝不足気味。

遊びまくったせいで宿題がやばかった。

いや、それよりも何よりもムカつくのは、昨日ゲーセンで雅樹に負けまくったことだ。

「完璧に鈍ってんなぁ…」

でも原因は多分それじゃない。

佐奈だ。

いつものように普通に教えてたはずだ。
それなのに緊張した。

意味不明だろ、俺。

何だかドキドキして…落ち着けなかった。

だから何でだよ俺!?

「はぁ〜…」

溜め息が絶えねぇな、全く。

なんか風邪っぽいし。

ぁあ…今日はきっと厄日だ。

って思う日にいいことがある。

そのくせに、いい日だ、なんて思ってると厄日。

いいんだか悪いんだかわかんねぇな、おい。

「お、おはよー誠也」

その声に振り返ると佐奈ともう一人女子がいた。

「佐奈おはよ。…誰?」

佐奈の横にいた女子は少しギャル系。

そのギャル系女はニッコリした。

「一年二組 鮎川愛美だよっ」

「……よろしくな鮎川」

一応あいさつはする。

佐奈は、ジャーンと効果音がつきそうな感じで鮎川を紹介し始めた。

「愛美は私の親友なの!中学からずっと一緒なんだよ?それでー………」

紹介している内容が頭に入らない…。

あぁ…何だかぼーっとして…。

「…誠也?どうしたの?」

「誠也君、大丈夫?」

佐奈と鮎川の声が混ざる。

「あー……?大丈夫…だ…ろ…」

プッツン


視界が歪み、そして消えた。




『誠也〜』

誰、だ…?

俺の名前を、呼んでいる…?

『誠也、いつも付けててくれてるんだね…ありがとう』

俺のペンダントが揺れる。

まさか…まさか……

『愛してるよ』

『サヤ……?』