「はい、到着」

「ありがと誠也♪」

結局家に到着するまで手を繋いでたあたし達。

手だけじゃなくて、心まで暖かい気がする。

幸せだなぁ〜♪

あたしは誠也の手をキュッと握った。

「佐奈?」

「ごめん、ちょっと握りたくなっちゃった」

誠也はクスッと笑った。

「甘えん坊」

「ち、違うよっ!普通に握りたくなったの」

しかし誠也はまだクスクス笑っている。

「わかったわかった♪」

見るからに絶対わかってないし!

「もぅっ」

「ほらほら拗ねんなよ」

誠也があたしの頭をポンッと撫でた。

眩しい笑顔。

不思議と拗ねていたのが失せる。

「はぁーい」

「よしっ。ほら家ん中入れ?雅樹とか待ってるぜ?」

「あ、そっか」

手を離し、ドアに手をかける。

暖かかった手が冷える。

お互いを見ながらドアを開く。

あたしはニコッとした。

「また明日、学校でね♪」

「あぁ、風邪に気をつけてな?じゃ、俺行くわ」

誠也が少し物足りなさそうに隣りへ向かう。

まぁ、あたしん家の隣りだし、当たり前か。

あたしは身を乗り出して誠也を見送った。

「バイバーイ」

誠也が微笑んで家に入った。

あたしも家に入る。

真っ先に現れたのは雅樹。

ニヤニヤしながらあたしを見ている。

あたしは靴を脱ぎながら雅樹を不満げに見た。

「…何よ?」

「いや?やっと両思いになったかーって思ってな」

「!!!!」

何で知ってんの!!!!!!

何、エスパー!?!?

あたしが驚愕していると雅樹はニヤつきながら呆れた。

「家の前でいちゃつきやがってさ」

「なっ!?サイテー!!!見てたのっ!?」

あたしはバックを雅樹に投げ付けた。

「いって!」

ナイスヒット♪