「忘れてなんかいない。サヤを愛してる……でもサヤは俺が泣くのを望んでなんかいない。そして、俺が愛すると愛した人が次々と消えていく。そんなのは知ってる。でもな、守ればいい。経験はもういらない。俺は守る人達を見つけた。だから、経験を踏み台にする……。振り返るかもしれない。崩れ落ちるかもしれない。でも俺には助けてくれる人達がいる。だから前に進む。そう決めた。だから、もう気持ちは揺るがない」

「………………!」

「誠也…」


誠也はあたしを見るとニッコリした。

「今日、遊園地さ、意外と楽しかったんだ。話した後も、佐奈が可愛くて、守りたいってマジで思った。」

「え………そ、れって…」

誠也はまたニコッとする。

「それは、また後でな?さて、アヤ?」

「……何?」

アヤさんは不機嫌そうに返事をする。

誠也は顔色を変えずに聞いた。

「翔太とは、どんな関係だ?」

「彼女よ」

「は?」

誠也は意味不明という表情になった。

あたしも意味不明だ。

あたしは思わず口出しした。

「そんな…おかしいよ!翔太君はサヤちゃんが…」

「そうよ。だからあたしはサヤの身代わりになった」

「「え…!?」」

あたしと誠也はお互い見合わせた。

一体、どういう事なの…!?