アヤさんはあたしを見てニッコリした。

「お友達も来ちゃったんだ?いけない子だね…?」

「…………!」

ゾクッとした。

まるで、あの時の愛美のような瞳をしている。

『だったらさぁ…消えてよ!!!!!!!』

あの、あたしが突き落とされた放課後の時の愛美。

ううん、それ以上。

あたしは怖くて怖くて、動けない。

カタカタと震える。

そんな時だった。

「ぁ………」

「大丈夫だ、佐奈」

誠也が、手を握ってくれた。

震えが止まっていく。

あたしはやっと気付いた。

あたしの寒気が引いたのは、誠也が安心させてくれたからだったんだ。

「ありがとう…」

「あぁ」

誠也は優しく微笑んだ。

まるで、太陽みたいに。

「何だかラブラブだねー?誠也はもうサヤを忘れたんだ?」

アヤさんは誠也をなじるように言った。

でも誠也はアヤさんをまっすぐ見た。

あたしの手を握る力が強くなる。