すると誠也は、そっとあたしを抱きしめた。

あたしは震えたままだ。

「大丈夫…大丈夫だ。俺がいる。今度こそ、守ってやるから」

「誠也………」

『今度こそ、守ってやるから』

誠也はいつも守ってくれてたよ……。

階段から落ちた時も。

泳げなかった時も。

いつも、いつも

あたしの支えになってたんだよ………。

「ありがと誠也…」

すると何故かフッと寒気が引いた。

誠也はそれに気がつくとあたしから離れた。

「大丈夫か?」

「う、うん。あの…何でここに入ったら寒気が…?」

誠也は真剣な顔をした。

「ここの公園は負の気持ちが溢れててな…。まぁ、理由は……一人の男子生徒が、ここに落ちて死んだから、なんだ…」

「一人の男子生徒?…まさか…!」

誠也は悲しそうに微笑んだ。

「そう、翔太だ……」

「…………!」

誠也は向かいのビルを力なく見た。

きっと、あそこから翔太君が……………。

「でも…ずっと気になってたんだ」

「え?」

誠也は少し考え込んだように立っている。

あたしはそっと誠也を覗き込んだ。

やっぱり何か考え込んでいる。

「どうしたの?」

「ちょっと、おかしいんだ」

「え?」

今度は誠也があたしを見た。

「あの公園と言われて俺はここを連想した。でもアヤとここの公園の話はしていない。アヤが知ってるハズがないんだ」

「……!それじゃあ…!」

誠也は真剣な顔で頷いた。

「アヤは、翔太と何かしら関係がある」

「そうよ」

「………!アヤさん!」

アヤさんは遊具の後ろから現れた。