ほ、欲しいって……


「ダメ?」


大也のいじわる……

お願いされると、あたしが断れないって知ってるクセに。


「ダメ、じゃな……んん……」


深いけれど、優しいキス。


「かわいい、あかり……」


唇から、頬、おでこ……顔中にキスが落ちてきて、少しくすぐったい。

大也があたしの服を脱がせようとした、その瞬間――


『これは、俺がつけた印だから』


市川君の言葉と一緒に思い出された、彼のキスマーク。


「――ダメっ……!」


気が付いたときには、大也を両手で押しのけていて。

一瞬驚いた大也が、少し傷付いたような顔を浮かべる。


「あ、ワルイ。そうだよな?朝からこんなことして……俺、なんかがっついてるみてぇで……ごめん」


違うの、大也……

大也がダメなんじゃないの。


でも、このまま服を脱いだら……

それこそ、今朝見た、夢みたくなっちゃう。