「そうだな」
「…そうだよ」
扇李ってば、本当に二人のときは甘いんだからさ
でも、そんな扇李をみているとつい浮かんでしまうことがある
「ねぇ、扇李?」
「なんだ」
「わたし、いつ扇李の子供を産めばいいのかな?」
「?」
「ほら、妊娠しないと妻にはなれないんでしょ?扇李と一緒にいたいし、好きだから…」
「誘ってるつもりか?」
「ち、違うよ!最後まで聞いて」
「……」
「だからその…ね。まだ妻じゃないけど…そのうちはちゃんと…そうしてねって意味であって…」
今すぐにじゃない。だいたい今すぐに妊娠だなんて心の準備も出来てないし、まだ自信もない
そんな不安を扇李にぶつけると扇李はただ"あぁ"と頷いて私を抱きしめる手に力を込める
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