だから、嫌なんて絶対にない
小さく首を振りながら否定すると、扇李は勝ち誇ったように笑い少し遠慮がちに口を開く
「沙優、マリナ様に会えて…良かったか?」
「え?」
「びっくりしただろ?マリナ様が神様だったなんて」
「あー…ぅん」
本当にびっくりだったよ。まさか院長様が神様だったなんて…しかも呉羽さんの母親だった事も
「そうだろうな」
「まさか、神様に育てて貰ってたなんてね」
「あぁマリナ様は優しい方だ。昔から場所を小まめに変えながら、沙優がいたような施設を経営していたんだ」
「…そう」
「マリナ様自身は生まれた時は人間で冥界の王に気に入られ花嫁になった。だが、生まれた時から母親がいなかったかんだ。そのこともあり、自分と同じ思いをさせたくないって気持ちで人間界に住み今に至る」
院長様の口からは聞けなかった話しに私は素直に彼の話を聞く
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