資産家の娘、ご令嬢、お嬢様。

周りからは色々言われる
けど、ホントはあたしは
どれもくすぐったくて困ってる。


だってそんなご大層な
言い方されたって、あたし
自身はずーっと親の勧める
学校に通ってきただけの、
普通の女の子なんだもん……。



「――よし、OKっと」


ドレッサーの前で髪を整えた
あたしは、小さく声に
出してブラシを置いた。


身長は154センチと低め、
痩せ型。
顔も大人っぽさとはとうてい
無縁のクルッとした丸い
目に、小さな鼻と唇。


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