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「それではまず、今後の
リリカ様の生活についてで
ございますが――…」


ソファから勉強机へと
場所を移して、さっそく
“楓さんレッスン”が
始まってた。


あたしは椅子に背を伸ばして
座り、両手はグーで膝の上。


相変わらず緊張してるけど、
しすぎで疲れて、なんかもう
幻でも見てるのかなって
気にもなってた。


「もともと執事はおつけに
なっていない家庭とのこと
ですので、朝昼のお食事の
お世話はいたしません。

ディナーのみ、テーブル
マナーのレッスンを兼ねて、
リリカ様の給仕は私が
いたします」


「……はい」


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