「失礼な物言いは、どうか
お許し下さい。

今後どれほどのコミュニ
ケーションがはかれますか、
確認したかったものですから」


……え、また確認?

ということは、あたしが
怒るような言い方したのも、
わざとだったってこと?


「……い、意地悪ですね……」


クラクラするこめかみを
押さえて必死の反論をすると、
楓さんはソファに沈む
あたしに、慇懃に頭を下げた。


「そのようなつもりは
ございませんでしたが、
無礼のほどは心よりお詫び
申し上げます。

ですが、私はただあなた様に
仕えるために来たのでは
ございません。

執事とは本来、その家を
管理し、守るのが務め。

主が幼い場合には、教え
導くことも、我々の使命
なのです」


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