もしかしたらほんの数秒。
だけどあたしにはめまいが
しそうなほど息苦しい時間が、
延々と続いてるように思える。


手を握られたまま軽く
震えてるあたしを、楓さんは
真剣な顔でジッと見て、
次に空いてる方の手で、
あたしの腕の袖をまくった。


繋いだまま軽く持ち上げて、
あらわになった肘の辺り
までを観察するように眺めると、


「大丈夫でしたね。
じんましんなど、異常は
見受けられません」


「――――え?」


片腕を持ち上げられたまま、
呆然と声を漏らす。


楓さんはようやく握った
掌を解いて、あたしの腕を
ゆっくりおろしながら、


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