「あっ………!」


どうしよう、と思った時には、
もう楓さんの長くて綺麗な
指先があたしの左手に触れてた。


大きな掌が包むように
あたしの掌をとり……
そして、しっかりと握り
合わせる。


(う、嘘ぉっ~~っ!!)


男の人と手を繋いでしまった。

こんなのパパ相手でも
幹生君相手でもありえない、
子供の頃以来の衝撃の体験。


「ふむ………」


何を思ってか、楓さんが
何かを思案しているような
そんな声を出す。


それだけであたしの体は
またビクッと跳ね上がり、
鼓動はドッドッドッと
すごい音をたててた。


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