ビクッと体を震わせた
あたしの正面に立ち、高い
位置からあたしを見下ろして、


「緊張で硬直し、自分から
声をかけることもできない。

やはり、相当な男性恐怖症で
いらっしゃるようですね」


「だ、男性恐怖症って……」


たしかにすっごく緊張して、
今にもパニックに陥りそう
だけど。

でもその言い方、“男嫌い”
よりひど過ぎるよ。


あたしは何だか、泣きたく
なってきた。


「旦那様より、20歳の
誕生日を迎える秋までには
リリカ様を一人前に成長
させて欲しいと命じられて
おります。

これは少々、スパルタで
お世話をさせて頂くことに
なるかもしれませんね……」


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