「いいかリリカ。今日から、
お前には楓君がつきっきりで
世話をしてくれる。

それに世話だけじゃなく、
レディに必要な作法や
知識の教育もだ。

どうだ、いい案だろう?
何より、生活しながら男に
免疫をつけられるわけだしな」


ズーン。


パパの言葉が、岩みたいに
頭の上に落ちてきた。


「ま、待ってよパパ……。

嘘でしょ? そんなの
ムリだよぉっ」


自然大きくなる、悲痛な叫び。


だけどパパは無情にも
あっさりとそれを打ち捨てる。


「泣き言は聞かん。

お前は今日から、男嫌いを
治す特訓だ!

そして20歳の誕生日を迎える
頃には、立派なレディに
なって社交界デビューするぞ!」


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