パパの後ろに、見ず知らずの
人が一人、立ってたからだ。


若い男の人。

ずんぐりむっくりした
あまり背の高くない中年の
パパと対照的に、その人は
スラッと背が高くて、細くて、
肌は透けるように白い。


髪は栗色のストレートで、
何だかすごくツヤツヤしてる。

鼻筋がスッと高くて、
キリッとした眉と目は
形がよくて、職人の作った
ビスクドールみたい。


(き、綺麗……)


男の人なのに、ついそんな
ことを考えてしまった。


だけど同時に、あたしは
自分の鼓動がトクトクと
速くなってきてるのを
敏感に察する。


ダメなんだ、あたしは。

こんな人が姿を見せたら、
困るよ……。


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