「いい機会かもしれないわ。

そうよね……男の人の目を
意識しないから、いつまで
たってもこんなふうなの
かも……」


「―――? ねぇママ、
さっきから何を言って――…」


首を伸ばして問いかけた
その時だった。


『おはよう!』と元気な
声がして、あたしは少し
驚いて声のしたダイニングの
入口に目を向ける。


声の主はパパ。

ママに注目してたから、
来ていたことに気づかなかった。


『おはよう』と返事しようと
して……だけどあたしは
さらに驚いて、その声を
飲み込んじゃう。


(え――だ、誰!?)


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