「2人で…もう可愛い!!」
テンションが高い雫に桐谷君は苦笑い。
「あ、いた。」
…後ろからいっくんの声が聞こえてきた。
「遅いからもう帰れよ」
何だかんだでいっくんは優しいよね。
だから有紗ちゃんにも捨てられないんだよ。
「じゃー、帰る。いっくんは雫と有紗ちゃんを頼んだよ」
「おう、陽斗も花音頼んだ」
「…ん。了解」
おい、ちょっと待ち。
私は雫とかはいっくんと家が近いから頼んだわけで…ああ、もういいや。
「じゃ、まあ部活でね」
「うぬ、ばいばい」
そしてまだ少し明るい帰り道。
……私は桐谷君と歩いていた。