「……桐谷君」
「お、おお。どした?」
黒いオーラを身にまとっている(多分)私を見て、ちょっと引きながらも返事をしてくれた桐谷君。
ねえ……桐谷君は一体、
「お母さんの何?」
「な、何って…俺の母さんの友達?」
……それか!
「変な風に疑ってごめんね?」
…お友達とは言えお母さん、絶対何か企んでる。
きっと、桐谷君のこと知っててここの塾に入れた、それは間違えじゃないと思う。
「なあ、椎名」
「ん…えっと、桐谷君どうしたの?」
「何中の何部?」
何部、とな?
「五咲中の吹奏楽部…だよ。桐谷君は?」
「俺?二戸中のサッカー部」
先生に隠れながらこそこそっと話してみる。