「えっとー、椎名さんは中学2年ですね?」
「あっ、はい♪」
イケメン先生からの質問でお母さんが音符をつけながら答える。
お母さんは椎名さんだけど、中2じゃないでしょ。私ははぁとため息をつき、先生はお母さんのテンションの高さに苦笑いするばかりだった。
「えっとー…夏休みの間だけってことですね?」
「はい♪」
2人は私が話しに入れないまま、どんどんと進めていく。
私が暇で暇でしょうがなかったその時―
「せんせー、終わったよ!」
何だかふわふわした、すごく可愛い女の子がやって来た。
「かわいー…」
私が呟くと、お母さんはにっこり笑って
「花音の方が可愛いわよ」
そう言った。
……うん、普通に考えてそれはないけど。