「ハァ、ハァ、ハァ・・・」


静かな家の中にわたしの呼吸音だけが響く。


不気味な程静かだ。





何かおかしい――――。

直感的にそう思った。




わたしは注意深く耳を澄ました。





何も聞こえない。

外から何も聞こえない。



わたしはドアのぶに手をかけて、ゆっくりと回した。

少し手が震える。




・・・・



「っっ・・・・!!」


わたしは外を見て、思わず息を呑んだ


こんな、こんな事があるのだろうか。


悪い夢なら醒めてほしい。
心からそう思った。




でも夢なんかじゃない。

これはかえようのない事実だ。


「う・・・そ・・・――」



鴉が何羽か、もう動く気配のない人達をつついている。


皆、見るも無惨な姿だ。

何処かしら体の一部がなくなっている。