璃月がその場を走り去るのを見送りながら。

「驚いたな」

龍娘は、割って入ってきた乱入者を見る。

蒼い髪、透き通るような白い肌、宝石のような瞳。

それは確かに2年のロシア人留学生、アリスカ・テフレチェンコだった。

「お前と一条が接点を持っていたとは初耳だ。アリスカ、何故一条を助けた?」

「え?え…あー…えと…」

龍娘の言葉に、アリスカは詰まる。

「りっちゃんが龍娘先生にいじめられてたみたいだから、何となく…?」

「ほぅ…」

ニヤリと笑う龍娘。

「一条を『りっちゃん』の愛称で呼ぶのは、ごく一部の人間だけなのだがな…?」