その景気よく噴き出し続ける水の向こう側に。

「!」

立ち止まる人影があった。

長い黒髪を両サイドでシニヨンにした、赤いチャイナドレスの美女。

「見つけたぞ…一条」

相当な速度で走ってきたにもかかわらず、呼吸すら乱さずに。

その人影…龍娘はゆっくりと歩を進める。

「また随分と派手にやらかしているようだな、一条。んん?」

「ひ、ひゃあぁっ、龍娘先生っ」

遂に見つかってしまった。

アワワワ…とうろたえる璃月。

厳しい龍娘の視線が、彼女に投げかけられた。

「とりあえず生徒指導室に戻ってもらおうか。言い訳はそこで聞いてやる」