フラフラと夢見がちな感じで歩を進める璃月。

まるで寝起きのような足取りだ。

「皆どこに逃げるのかなぁ…私はどこ逃げようかなぁ…」

完璧超人に狙われているというこの緊迫した状況下でも、まだお遊戯感覚が抜けていない。

慌てるでもなく、走るでもなく。

手摺りを掴んで階段を昇り。

「あれ…」

べキッと。

何の気なしに掴んだ階段の手摺りが根こそぎもげた。

「何よぉ、もぉ…天神学園ボロっちすぎぃ…」

口を尖らせて不満を述べる璃月。

正確には学園がボロなのではなく、璃月のパワーが尋常ではないのだ。