話は7月最終日に遡る。

ある理由で天神学園に泊まる事になった龍太郎と数名の生徒。

そこで一悶着あって、彼らは校舎の一部を破壊してしまったのである。

『こっそり逃げればバレやしない』

自首するほど殊勝な筈もなく、龍太郎達『犯人』は黙っていたのだが、それを完璧超人が見逃す筈もない。

独自のネットワークを利用して、犯人の一人である龍太郎と、彼を庇おうとした小夜の捕縛には成功したのだが…。

「正直に言わんか丹下。言えば退学だけは勘弁してやる」

「やなこった」

我が身可愛さに自供するなど、最も恥ずべき行為。

男気ある龍太郎らしい態度である。

そこは龍娘も高く評価しているのだが…。

「仕方あるまい…」

彼女は腕組みして目を閉じた。

「こちらの目星をつけた連中を当たってみるか」