「ねぇ、加奈」

「ん?」


帰りの電車で咲子が話しかけてきた。


「来週遊ぼうよ」

「来週?」

「うん!!
お母さんが休み取れたから、弟の面倒を見なくていいんだ!
だから、夜までバッチリ遊べるよ!」

「そうなの?
じゃぁ……」


ん?

待って…?


「夜まで遊べるんだったら、拓真と遊べばいいのに!!!
わざわざ、ワタシなんかじゃなくて」


どうしてワタシなの?


「加奈がいいの!!!」

「へ?」