はじめて廃校舎に入ったが、ここまで人気のないところだとは思わなかった。



 それに、中に入ると外の音がほとんど聞こえない。



 なるほど、ラブホ代わりになるわけだ。



 心なしか歩幅を狭めた甲斐もむなしく、第一教室の目の前にたどりつく。





 もう一度、深呼吸。





 スタンガンを素早くとりだすイメトレ。





 ドアを開け、中に入る。





 そこには、誰もいなかった。