教室を出て、待ち合わせ場所の廃校舎へ向かう。



 廃校舎は、昇降口を出て、グラウンドを左手にまっすぐ歩いた先にある。



 これぞ木造、といわんばかりの建物。



 噂によると、第一教室というのはうちの高校生のラブホ代わりになっているらしい。


 入り口の隣には『空室』と小さい看板がかけてあり、裏には『使用中』の文字。




 こんな陰気な場所に女だけで入るなんて趣味が悪いよ、リーダーさん。





 廃校舎の目の前で歩みを止める。



 ひとつ、大きく深呼吸。



 万が一のために、制服のポケットにはスタンガン。


 こないだジョークで買ったコレを使う日が来るとは思わなかった。



 教室に入ると、クラッカーが鳴り響き、目に入る飾りつけ、「お誕生日おめでとう!」と、明るい声が私を出迎えた。





 なんてことは、ありえないか。





 覚悟を決めて、校舎へ入る。足を踏み入れると、ミシ、と不気味な音がした。