「おい、湊、湊!!」
『んだよ、うっせ~な』
「愛華ちゃんが男に連れられてどっか行ったぞ!」
『ブッ!はぁ?』
俺は飲んでいたコーヒーを噴き出した。
それよりも、焦りが生まれた。
『どこ行った!!??』
「分んねぇ」
俺は急いで教室をでた。
『ハァッ…ハァッ…どこだ!!??』
すると、どこからか声が聞こえた。
「ゃっ。誰か……」
愛華の声?
「湊―――!!」
俺が駆け付けると、愛華は男にキスを迫られていた。
俺は衝動的にソイツを殴った。
『俺の、好きな女に手ぇ出すんじゃねぇよ!!』
そう、言ってやった。
男はどこかへ行った。
ソイツが笑っていたことに、俺は、気付かなかった。