次の日の放課後…


『愛華、帰るぞ』
「あたし、今日は湊と帰れないから」
『はっ!?なんでだよ』
「み、湊に関係ないじゃん!じゃーね!」
まさか湊のことで相談なんて言えるわけないじゃん!!
あたしは走って教室を出た。


あ、女子がたくさんいる。
あそこにいるな。
う~ん、どうしようかな。
困っていたら…

「愛華!」
と声がした。
女子が一斉にこっちを見る。
周りは、またあの子だよ。
湊くんとも仲いいのに、あんなイケメンとも仲良しなんてありえない。
男好きなんじゃん?
などなどと、好き放題言っている。
まったく、この兄弟は…。
優兄は、そんなことに気付かず、あたしに手を振る。
あたしも振り返す。
「愛華遅いぞ~」
「ゴメンネ、優兄」
「じゃぁ、どうぞ、お姫様♪」
そう言うと、車のドアを開けた。
「ありがと」
優兄はホント紳士だな~。
てか、ホント女子の視線痛い…。
そして最後に優兄は
「湊と仲良くしてやってね」
と言い、車を発進させた。
ウインクした優兄を見た女子が、歓声を上げたのは、言うまでもない。