「じゃあ、今から簡単に入学式について説明するから、静かに聞いてるように!それと、1回しか説明しないからな。聞いて無かったやつは、入学式で恥をかくからな。」(だ)
「は~い。」(ぜ)
「お前らは幼稚園児か?ま、良い。じゃあ、説明するから。
まず、講堂の入り口から全員で入場すること。~~~~~~~~~~だから、~~~~~するように!分かったな?」(だ)
「わかった。」(ぜ)
「分かったなら良いや。で、クラス代表で誰かが、校長から入学記念品を受け取るんだけど、うちのクラスは誰が良い?もう、高校生なんだから、自分たちで決められるよな?」(だ)
「うん。」(ぜ)
「じゃあ、立候補制にするか?誰かやりたい人いないか?」(だ)
「先生!俺がやる!」(男子①)
「お!井上 飛馬(イノウエヒュウマ)か。他にはいないか?立候補じゃなくて、誰かの推薦もありだぞ?」(だ)
「推薦もありなんじゃ、私は、結城 沙奈さんを推薦します!」(ゆ)
「ちょ//悠那!私やらないからね。」(さ)
「お!結城 沙奈か。じゃあ、他にはいないか?居なければ、この2人のどちらかに決めちゃうけど。どうするぅ?」(だ)
「先生!私は、松井 悠那さんを推薦します!」(さ)
「お!松井 悠那もか。とりあえず、ここで締め切るから。3人の中で誰が良いかこの紙に記入して、教卓の上に出すように!分かったな?」(だ)
「ちょ//沙奈!私もやらないからね。」(ゆ)
「分かってるけど・・・、勝手に推薦した罰だから。」(さ)
「もう!!分かったよ。」(ゆ)
そして、投票の結果次のように決まった。
・井上・・・18票
・松井・・・10票
・結城・・・10票
「じゃあ、井上!お前に決まったから、頼んだぞ!」(だ)
「はい!」(ひゅ)
「とりあえず、お前らは、式20分前に会場入りして簡単なリハーサルするから!」(だ)
「よかったね。うちらにならなくて。」(ゆ)
「うん。なってたら、緊張できっとがちがちだったよね?」(さ)
「確かに(笑)」(ゆ)
そして、入学式が開始された
「新入生代表あいさつ、1年C組高橋 裕大」(司会)
「はい。(高橋が壇上にあがり礼をする)私達1年生は本日よりこの如月高校の生徒として、如月の名に恥じないよう精進して参ります。」(ゆう)
「続いて、新入生記念贈呈。1年A組代表井上飛馬」(司会)
「はい。(校長が話し、記念品を贈呈する)ありがとうございます」(ひゅう)
式が終わり教室へ戻る
「はい、入学式お疲れ様。早速だが、来月校外遠足として、出かけるんだけど、うちらはどこへ行く?」(だ)
「先生、ディズニーランド行きたい!」(女子)
「ディズニーランドなぁ~。ちょっと遠いけど教頭先生には聞いてみるよ。
ほかに行きたいとこ無いか?」(だ)
「先生!水族館みたいなとこ行きたい。あとは、体験学習もしてみたいな。」(男子)
「体験学習なぁ~。ま、考えてみるよ。」(だ)
そして、5月・・・。
今日は、校外学習の日。
「おはよ~。」(さ)
「おはよ~。今日校外学習だね~。昨日から、楽しみで寝てないんだ。」
場所は、東京ディズニーランドに決まった。
「悠那。そんなんで大丈夫?倒れたりしないでよ?」
「分かってるよ。何か沙奈ママみたい。」
「ママで悪かったね。」
「ごめん。ごめん。」
2人で暫くふざけ合っていたら、あっという間におやつtimeになってしまった。
「静かに!今からおやつtimeにするが、各自ゴミは持ち帰るように!あと、前の座席に入ってる袋は使わないこと!分かったか?」
「うん、分かった」
「わかればいい!じゃ、食べろ!」
それから、みんなでおやつを食べ始めた。
「沙奈は何のおやつ持ってきたの?」
「私はね…ポテチ(コンソメ)とかだよ。悠那は?」
「私はじゃがりことかだよ。」
「じゃがりこ!美味しいよね?私大好き!一本ちょうだい」
「いいよ!じゃあ、沙奈のもちょうだい!」
「いいよ!」
そんなこんなで話してたらあっという間に東京ディズニーランドに着いた。
「じゃあ、ここで解散だけど、他校生と問題を起こさないこと。あと、1時までにバスへ戻ってくること。もし、戻って来なかったらここへ置いてくからな!もし置いてかれたら体験は出来ないからな。」
そう、体験で貝のアクセサリー(女子)と貝を使った楽器(男子)を作ることになってるんだ。
で、広瀬先生は私達女子に付いてくることになってて副担任の脇田和仁先生(男:既婚者)は男子に付いてくことになってるんだ。
「分かった!じゃ、先生またね。」
「ぉう!またな!」
先生と別れて、悠那と東京ディズニーランドを回ることにした。
「ねぇ、先生さ何でうちらにだけ『またな!』何て言ったのかな?」
「さぁ~悠那に言ったんじゃ無いの?」
「え~違うよ!絶対沙奈だよ」
「無い無い。どっちも有り得ないよ(笑)」
「どっちも。って沙奈と一緒にしないでよ(怒)」
「ごめん、ごめん。けどさ悠那は好きな人とかいないの?」
「いるよ。実はF組に高良雅俊(コウラ マサト)っているんだけど知ってる?」
「高良雅俊?知らない。どこ中出身の子?」
「富士山にある宮窪学院の中学校。」
「宮窪って、中学までしか無いんだよね?確か。」
「そうらしい。」
「で、どこ好きになったの?」
「あの、笑顔と優しさにやられたんだ。で、昨日アドレス聞いたよ!」
「そうなんだ。ってか、行動早!」
「えへへ。沙奈はいないの好きな人とか。」
この会話を先生が聞いてるとは思わなかった。
「いないよ。何か最近恋する気になれないんだ。」
「誰か気になる人でもいるの?」
「分からない。けど、先生見てると嬉しくなったり悲しくなったりする。」
「(小声で)先生って広瀬?」
「(小声で)うん。」
「(小声)どんな時に嬉しくなったり悲しくなったりするの?」
「(小声)先生が褒めたりしてくれると嬉しい。先生が落ち込んでたりすると悲しい。」
「(小声)そっかぁ。きっとそれは恋だよ。」
「(小声)そうなんだ。私先生に恋してるの?」
「(小声)多分。」
私は先生が好きだと言うことを悠那に言われて初めて気づいた。
俺は広瀬 大斗。
去年の春からこの如月高校へ就任してきた。
年齢は27歳。担当教科は、英語だ。一昨年に、アメリカへ語学留学へ行っていた。
まさか、この高校で生徒に恋するとは思ってもいなかった。
俺は、赴任してきてから、2年目の春に初の担任を任された。
去年は、3年A組の副担任だったが、今年は1年A組の担任になったのだ。
俺は、このクラスのある生徒に恋をした。
彼女の名は、「結城 沙奈」。
結城は、明るく、頼りがいがあり、誰に対しても思いやりの心と優しさを忘れない、クラスの中心的存在だ。
そんな、結城に俺自身が恋をした!と気付いたのは今年の5月にあった、校外学習でのことだった。
東京ディズニーランドでの自由行動で彼女と彼女の友達の松井を見送り、バスから生徒全員を送り出した俺は、副担任の先生と行動していた。
お土産に入ろうと言う話になり、ふと足を踏み入れた時だった。
お土産コーナーを楽しそうに笑顔で松井と歩く、結城の姿を見つけ、俺は動きが止まった。
松井と結城は俺たちに気付かずに恋愛トークをしていた。
「沙奈は好きな人とか、気になる人とかいないの?」
「好きな人はいないけど、気になる人はいるよ。」
「え?誰?」
「先生。」
この「先生」と言う言葉を聞いた瞬間俺は、内心嬉しさと驚きで胸がいっぱいになった。
「え?本当?先生って広瀬先生なの?」
「そうだよ・・・。この、気持ちがなんなのかはまだ分からないけど先生の姿とか見るとめちゃくちゃドキドキする。」
「それって・・・完璧恋してる証拠だよ?先生が嬉しい様子だと沙奈の気持ちはどうなる?」
「私も嬉しくなる。」
「じゃあ、先生が悲しかったりしてると?」
「私も悲しくなる。」
「じゃあ、先生が他の女の子と話していると?」
「嫉妬する。胸が苦しくなるんだ。」
はっきりと聞こえた言葉に俺は胸が熱くなった。
このときに俺は、気付いた。
「結城が好きだと・・・。」
しかし、俺は「教師」。彼女は「生徒」。
もし、万が一学校側に付き合っている(あくまでも付き合っている前提の話しで)ことがばれたら俺も結城も厳しい処分を受けなくてはならない。
だとした、学校側にばれないように付き合うしかないか・・・。
俺は、今気持ちを伝えるか、伝えないべきかで迷っていた。
(沙奈)
私は、悠奈に言われて初めて先生に恋したことに気がついた。
「告白してみたら?先生、イケメンだからすぐに誰かの物になっちゃうかもだよ?」
「けどさ・・・振られたら気まずくない?」
「そうかも知れないけど・・・先生が誰かの物になっちゃっても良いの?」
「嫌だ・・・告白する!」
「よく言った!絶対しな?」
「うん!」
「もし付き合えた時に先生へ何かプレゼントする?」
「う~ん・・・。けどさ、振られたらそのプレゼント無駄になっちゃうから付き合えたらにしようかな?」
「そっか。本当に良いんだね?」
「うん・・・。」
「迷いは、無いんだね?」
「うん!迷いは無いよ。」
「そっか。分かった。いつ告白するの?」
「そうだな・・・。あ!せっかく、TDLにいるからここでしようかな?」
「いいかも!けど・・・先生をどうやって呼び出すの?」
「頑張って探してみるよ!」
「わかった!」
その時目の前に先生を発見した。
「せんせーい!お話があるのでちょっと来てもらっても良いですか?」
「あぁ。いいけど・・・。」
私は先生と共に告白すると必ず成功すると言われる場所の前にやってきた。
(※場所は架空です。)
「で?俺に・・・話って何?」
「はい・・・。先生は、生徒と恋することをどう考えていますか?」
「俺は・・・、良いとは思う。けど・・・、たくさんの壁にぶち当たらなきゃいけないと思うんだ。」
「そうですか・・・。」
「あぁ・・・。話ってそれだけか?」
「いえ・・・。本当は、違うことを言いたかったんですが大丈夫です。
急に呼び出したりなんかしてしまってすいません。では・・・失礼します。」
私は先生には脈が無いと思い、悠奈を待たせてる場所へと戻ろうと歩き出した。
しかし・・・。
「待って。俺から、結城に伝えたいことがあるんだ。」
突然、先生に腕をつかまれた。
「私は、聞きたくありません。」
「仮に結城が聞かなくても、俺は話す。」
「勝手にしてください。」
「わかった。結城は、俺なんか眼中に無いと思う。けど・・・、俺は結城が好きなんだ。
結城の笑顔を見てると俺まで笑顔になれる。結城が悲しげだと俺も悲しくなる。教師と生徒ってことで、たくさんの壁があると思う。けど、俺は結城がいないと駄目なんだよ。
だから・・・ずっと俺の隣で、傍で笑っていてくれないか?」
先生は、私の返事を待たずにぎゅっと抱きしめた。
「先生。私のことずっと大事にしてくれますか?」
「もちろんだよ。ずっと、一緒にいるよ。」
「本当ですか?」
「本当だよ。俺は嘘言わない。」
「信じて良いですか?」
あまりの、嬉しさに涙が頬を流れ出した。
「もちろん。」
「では、信じます。先生、大好きです。」
その言葉を聞いた瞬間先生は嬉しそうに、照れくさそうに笑った。
「キス・・・して良い?」
「どうぞ・・・。」
先生は私の唇にそっと、優しい、キスをした。
「俺、結城のこと[沙奈]って呼ぶから、沙奈も敬語無しで俺のこと[大斗]って呼んで?」
「いいの?」
「いいよ。彼女なんだから、当たり前だろ?」
「嬉しい。」
「俺も嬉しいよ。」
「大斗、番号とアドレス交換しよう?」
「あ、そうだったな。ごめん、ごめん。忘れてた。」
「大丈夫だよ。赤外線で良い?」
「いいよ。」
(大斗)
俺は、お土産を見ている振りをしながら、松井と沙奈(元:結城)の会話を聞いていた。
すると、松井が「先生のこと好きなんでしょ?」と話しているのを耳にした。
俺は、内心「まじか?」と思いながらしばらく話を聞いていた。
数分経過してから、沙奈が俺の元にやってきた。
「先生、お話があるのでちょっと来てもらっても良いですか?」
俺は、承知の返事をした。
そしたら、沙奈は俺を告白すると必ず実ると言われている有名な場所へ連れて行った。
(※話を省略)
俺は、俺の傍を離れようとする、沙奈の腕をつかんだ。
そして、告白した。
「結城は、俺なんか眼中に無いと思う。けど・・・、俺は結城が好きなんだ。
結城の笑顔を見てると俺まで笑顔になれる。結城が悲しげだと俺も悲しくなる。教師と生徒ってことで、たくさんの壁があると思う。けど、俺は結城がいないと駄目なんだよ。
だから・・・ずっと俺の隣で、傍で笑っていてくれないか?」
すると、沙奈は
「先生。私のことずっと大事にしてくれますか?」
俺は、物凄く嬉しかった。
しかし、それと同時に生徒との恋愛に対して不安を感じてしまった。
けど、その不安をなるべく沙奈には気付かれたく無くて、バレないようにしていた。
俺の腕の中で「嬉しい。」とつぶやく沙奈をもう一度存在を確かめるかの様にぎゅっと抱きしめた。
(沙奈)
先生から、告白してくれるとは思ってもいなかった。
先生は私をぎゅっと抱きしめたままで動こうとしなかった。
「大斗、私ね大斗にプレゼントしたいの。買いに生きたいんだけど・・・。」
「俺にプレゼント?なんで?」
「悠奈と話してたんだ。もし、大斗と付き合えたら記念にお揃い持ちたいなって思って。」
「いいけど・・・。何が、欲しいの?俺、買ってやるけど。」
「キーホルダーとかがいいんだけど・・・。」
「けど・・・?」
「大斗と付き合ってるって他の生徒にバレたら大変だから私1人で行く。けど・・・、1人じゃ不安だから悠奈と一緒に行って来るね?」
「俺は、バレたって平気だよ。俺は、沙奈の彼氏なんだから。俺は、沙奈の前では教師じゃないの。学校のときは別だけど。だから、今は沙奈の彼氏として一緒にいたい。だから、松井なんかとじゃなくて俺と行こう?」
「大斗、良いの?」
「いいよ。行こう!」
「うん。ありがとう!」