(ピアス)
・貝殻・・・青と白
○理由○
・大斗にずっと守られているようにとの願いを込めて・・・。
私達は、楽しく時間をかけながら気持ちを込めて作業した。
大斗に対する「ありがとう。」と「好きだよ。」の気持ちを込めて・・・。
(大斗)
俺は、隣で松井と楽しそうに話したりしながら作業する沙奈を横目に作業した。
{ブレスレット}
・貝殻・・・ピンクと白
・ビーズ・・・青と白と水色
○理由○
・貝殻は、沙奈のことを思ったのとイメージにぴったりだったから。
・ビーズは、俺が傍にずっといるという願いを込めて。
{ピアス}
・貝殻・・・白とピンク
○理由○
・俺らがずっと一緒に寄り添っていられるようにとの願いを込めて・・・。
俺は、沙奈に対する感謝と愛しさを込めて作業した。
(沙奈)
しばらくして、出来上がった。
すると・・・
「では、時間です。全員出来上がりましたか?」
「はい。」
「プレゼントを希望する生徒さんは、この後材料を前に戻しに来ながら私の元へきてください。作品を持ってきてください。もし、包装を希望しない場合は、入り口右手に市川が立っていますので、そこで袋を受け取ってください。あと、1つは包装するけど、もう1つはしないって言う人いたら、私の元へ来るときに包装する作品だけ持ってきてください。それと、片付けが終わったら今座ってる席に戻って着席しててください。あと、片付けるものは、机の上にある道具の箱と自分が持っていた貝殻やビーズの余りなどです。では、片付けを開始してください。」
「悠奈、これ持っていこう?」
「うん。包装ってさ箱に入れてくれるのかな?」
「じゃない?聞いてみる?」
「うん。」
私達は、片付けしに行きながら聞いてみることにした。
「すいません。包装って箱に入れてもらえるんですか?」
「はい。箱と包装用紙の色を選ぶことが出来ますよ。」
「そうなんですか。じゃあ、これをお願いしたいんですけど・・・。」
私は、大斗にあげるブレスレットを包装してもらうように頼んだ。
「わかりました。箱は何色にしますか?」
箱には、3色あった。白と青と黄色があった。
「じゃあ、白で。」
「わかりました。包装紙は何色にしますか?」
包装紙は6色あった。白、青、黄色、緑、赤、茶色があった。
「じゃあ、青で。」
「分かりました。」
工房の人は返事をしながら、丁寧に包んでくれた。
「では、後ろの方のを承ります。」
そう言われた、悠奈は高良くんにあげるブレスレットを差し出した。
「箱は、青で包装用紙は茶色でお願いします。」
「分かりました。」
私達は、工房の人に丁寧に包んでもらったプレゼントを大事にバックへとしまいながら私達は席に着いた。
しばらく、見ていると大斗がプレゼントを工房の人に丁寧包んでもらっているところだった。
私は、自分にこのプレゼントが届くとも知らずに、誰にあげるのだろう?と少し私の中で勝手に嫉妬していた。
(大斗)
俺は、生徒が包んでもらうのを見届けてから最後に包んでもらった。
「すいません。私まで・・・。これを包んで欲しいんですが・・・。」
「いいえ。大丈夫ですよ。箱の色と包装紙の色は何色にしますか?」
俺は、先ほど沙奈が箱を白、包装紙を青にしているのを知っていたからあえて、
箱を白にし、包装紙を赤にした。
「箱は、白で包装紙は赤でお願いします。」
「わかりました。」
そう答えた、工房の人は丁寧にプレゼントを包んでくれた。
(沙奈)
私は、終了のあいさつを聞きながらバスに戻ったら大斗にメールしようと決めていた。
そして、バスに戻った私は早速大斗にメールした
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[To:大斗]
[件名:時間ある?]
[内容]
あのね、渡したい物があるから今日時間ある?
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私は、送信をして携帯をしまった。
しばらくして、メールが来た。
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[To:沙奈]
[件名:あるよ!(^^)]
[内容]
あるよ!学校戻ってからになるけど・・・それでもいいなら。
ってか、俺も渡したいものあるし。
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ふと、窓の外に目をやるとまだトイレとかに行っていて戻って来ない生徒を待つ大斗と目があった。だから、私は、「うん。」と言うかのように静に頷いた。
すると、大斗は静に微笑んでくれた。
全員がバスに戻ったのを外から確認した大斗は、見送りに来てくれていた工房の人にお礼のあいさつをしてバスに戻ってきた。
乗り込んだ瞬間大斗は、
「工房の人が左側で見送ってくれているから手を振るように!」
と私達に言った。
私は、素敵な体験をさせてくれた工房の人に感謝の気持ちを込めて手を振った。
見えなくなると、私達はおしゃべりをし出した。
「ねぇ、沙奈。健吾さこのプレゼント喜んでくれるかな?」
「きっと、喜んでくれるよ。だって、好きな女の子から貰うプレゼントだよ?」
「そうだよね。ありがとう。何か、めちゃくちゃスッキリした。」
私達は、途中で男子達を拾い(笑)無事に学校へと戻った。
学校に着いて、体育館前に集合した。
「無事に学校へ着いて、たくさんのお土産を持って来たわけだけれど、それは今後のみんなにとって一番の貴重な思い出となるだろうし、高校時代の貴重な学びになると思う。けどな、今日という一番楽しみな日が終わったんだから明日からは勉強に集中するように!
」
そう語る大斗の横顔は、夕焼けに照らされていて物凄く綺麗だった。
そんな、しんみりした空気を変えるかのようにある1人の男子生徒がこう発言した。
「先生!何か、悲しくなるからそんなこと言わないでくれよ!切ないやん!」
そう、叫んだのはクラスでも一番元気な比嘉隼人(ヒガハヤト)君だった。
「そうだな・・・。ごめん!じゃあ、解散!気をつけて変えるように!」
「わかった!」
そう言って、みんなは解散となった。私は、放課後大斗と約束があったから、悠奈に先に帰ってもらった。
全員居なくなってしばらくした時大斗が私に、「行こうか?」と声を掛けた。
だから、私は、静かに頷いた。
しばらくして、私達は大斗の車に乗って移動することにした。
「ねぇ、大斗どこ行くの?今から!」
「ん?それは、秘密。」
そう言って大斗は私に微笑みながら、私の手を静かに握ってきた。
しばらく、車を走らせると夜景が綺麗に見える丘に着いた。
「そういえば、沙奈、俺に話しあるんだろう?」
「うん。話って言うかね渡したいもの何だけど・・・。」
「何?」
大斗は優しく微笑みながら聞いてきた。
「実は、これなんだ。」
「これ、何?」
私から受け取った、箱をじっと見つめて大斗は私に聞いてきた。
「実はね、さっき工房で大斗にブレスレット作ったんだ。」
「本当か?」
「うん。照れくさいけど、受け取ってくれる・・・?」
私は、不安なりながら大斗に聞いた。
すると大斗は、私を思いっきりぎゅーっと抱きしめて私の耳元でこう言った。
「当たり前だよ!めちゃくちゃ、照れくさいけど嬉しい!ありがとう!実はな、俺も沙奈に渡したいものがあるんだ。」
大斗は、私から離れてある物を取り出した。
それは、さっき私が工房で見た包み紙だった。
「これを、私に?違う人にあげるんじゃ無いの?」
「どうして、俺が沙奈以外の人にプレゼント渡さないといけないの?俺は、沙奈の為だけにこれを作って、包装までしてもらったんだよ?」
「本当に?」
「あぁ。」
「ありがとう。」
すると、大斗は私をまた抱きしめながら「いいえ。」って囁いてくれた。
「開けていい?大斗も開けていいから。」
「いいよ。じゃあ、せーので開けようか?」
「うん。じゃあ、せーの。」
私達は、2人でいっせいに箱を開けた。
箱のふたを開けた瞬間、私達は2人揃ってビックリした。
理由は、2人揃って同じものを作って同じものを渡していたからだ。
「びっくりした~!大斗もブレスレット作ってたんだね?でも、嬉しいよ?ありがとう。」
「あぁ。一番見に着けてられる物で痛くないものって何かな?って考えたらブレスレットしか思いつかなかったからさ。」
「そうなんだ。私もね、同じこと考えてたの。」
「そっか。ありがとう。今から、毎日付けるから。って言っても、お風呂の時は外すけどな。濡れると困るから。」
「うん。私もそうするね。けどね、体育のときは外して良い?」
「うん。体育の滝本先生、うるさいもんな(苦笑)。」
「うん。」
「沙奈、奇跡ってあると思う?」
「いきなり、どうしたの?」
「いや・・・。何となく。」
「そっか。あると思うよ。だって、こうして大斗と付き合うことが出来るのも奇跡でしょ?」
「確かにな。俺さ、今まで全く奇跡を信じてこなかったんだ。」
大斗は、私を優しく抱きしめてきた。
「どうして?」
「昔な、小さい頃からずっと慕っていたおじさんに裏切られたんだ。」
「うん。どうして、裏切られたの?」
「おじさん、ガンを患っていたんだ。俺にだけ、隠してた。俺がずっと慕ってるから言えなかったって葬式の時に言われてさ。俺、どうして良いのか分からなくなっちゃって・・・。」
「そっか。けどさ、おじさんは大斗を思って最期の瞬間まで伝えなかったんじゃない?」
「ん?」
「幼い、大斗に伝えたら大斗は戸惑ったでしょ?」
「確かにな。」
「それを恐れてきっとおじさんは伝えなかったんだと思うよ。」
「そっか。そう捕らえれば少しは楽なのかな?」
「うん。きっと。」
私は、泣きそうな大斗の腕を引っ張り自分の膝を叩いた。
「ん?」
「そんな、泣きそうな顔してる大斗見たくない。膝、貸してあげるから泣きな?」
「いいのか?」
「うん。だから、おいで?」
そう言った瞬間、大斗は私の手を握ったまんま、膝で泣き出した。
その時初めて、大斗の辛さをどうにか楽にしてあげたいと思った。
しばらく泣いていた大斗は私の手を握ったまんま膝でスヤスヤと寝始めた。
そんな、大斗を見ていたら不思議と母性本能が起きだした。
(大斗)
ふと、目を覚ますと、沙奈は可愛い顔をしながら俺の腕に(握っていた)頭を預けスヤスヤと寝ていた。
あ、そっか。俺は過去を話してから泣いて寝てしまったんだった。
俺は、そっと沙奈の頭を持って自分の膝に寝かせた。
しばらくすると
「う~ん。」
そう言いながら、目を開けた。
「あれ?大斗起きたの?」
「うん。ごめんな。寝ちゃって。」
「ううん。大丈夫だよ。それにしても寒いね?」
「そうだな。」
俺は、そう言って自分が着ていた上着を差し出した。
「え?いいよ。大斗が寒くなって風邪引いちゃうよ?」
「大丈夫だよ。俺は。」
「いいの?」
「あぁ。」
「ありがとう。」
俺は、照れくさくなって下を向いた。
このまま、沙奈の顔を見ていると今ここで襲いたくなりそうだったから。
「どうしたの、大斗?顔赤いけど熱でもあるの?」
俺が下を向いていたことに疑問を感じた沙奈が俺の顔を覗いてきた。
だから、俺は沙奈を優しく抱きしめて、
「何でもないよ。大丈夫。」
と伝えた。
そしたら、沙奈は「そっか。」とつぶやいた。
「それにしても、気持ちいいな?」
「うん。連れてきてくれてありがとう。」
「いいえ。楽しかったか?今日一日。」
「うん。すんごく、楽しかった。」
「そっか。よかった。」
「ねぇ、大斗の家族って何人いるの?」
「俺んちは、8人。俺含めてな。農家をやってる
曾祖父と祖父と祖母。中学の数学教師をしてる父親と専業主婦の母と俺とパイロットの弟と医学部へ通ってる妹がいる。」
「そうなんだ。賑やかなお家だね?」
「楽しかったな。沙奈の家は?」
「家は7人。農業をやってるじいちゃんとばあちゃん。獣医師の父と看護師の母。私に中学3年生の妹がいるよ。」
「そうなんだ。」
「うん。弟さんと妹さんの名前は?」