禁断の愛~恋人は担任!?~


「いないよ。何か最近恋する気になれないんだ。」

「誰か気になる人でもいるの?」

「分からない。けど、先生見てると嬉しくなったり悲しくなったりする。」

「(小声で)先生って広瀬?」

「(小声で)うん。」

「(小声)どんな時に嬉しくなったり悲しくなったりするの?」

「(小声)先生が褒めたりしてくれると嬉しい。先生が落ち込んでたりすると悲しい。」

「(小声)そっかぁ。きっとそれは恋だよ。」

「(小声)そうなんだ。私先生に恋してるの?」
「(小声)多分。」

私は先生が好きだと言うことを悠那に言われて初めて気づいた。


俺は広瀬 大斗。

去年の春からこの如月高校へ就任してきた。

年齢は27歳。担当教科は、英語だ。一昨年に、アメリカへ語学留学へ行っていた。

まさか、この高校で生徒に恋するとは思ってもいなかった。

俺は、赴任してきてから、2年目の春に初の担任を任された。

去年は、3年A組の副担任だったが、今年は1年A組の担任になったのだ。

俺は、このクラスのある生徒に恋をした。

彼女の名は、「結城 沙奈」。

結城は、明るく、頼りがいがあり、誰に対しても思いやりの心と優しさを忘れない、クラスの中心的存在だ。

そんな、結城に俺自身が恋をした!と気付いたのは今年の5月にあった、校外学習でのことだった。

東京ディズニーランドでの自由行動で彼女と彼女の友達の松井を見送り、バスから生徒全員を送り出した俺は、副担任の先生と行動していた。

お土産に入ろうと言う話になり、ふと足を踏み入れた時だった。
お土産コーナーを楽しそうに笑顔で松井と歩く、結城の姿を見つけ、俺は動きが止まった。

松井と結城は俺たちに気付かずに恋愛トークをしていた。

「沙奈は好きな人とか、気になる人とかいないの?」

「好きな人はいないけど、気になる人はいるよ。」

「え?誰?」

「先生。」

この「先生」と言う言葉を聞いた瞬間俺は、内心嬉しさと驚きで胸がいっぱいになった。

「え?本当?先生って広瀬先生なの?」

「そうだよ・・・。この、気持ちがなんなのかはまだ分からないけど先生の姿とか見るとめちゃくちゃドキドキする。」

「それって・・・完璧恋してる証拠だよ?先生が嬉しい様子だと沙奈の気持ちはどうなる?」

「私も嬉しくなる。」

「じゃあ、先生が悲しかったりしてると?」

「私も悲しくなる。」

「じゃあ、先生が他の女の子と話していると?」

「嫉妬する。胸が苦しくなるんだ。」

はっきりと聞こえた言葉に俺は胸が熱くなった。

このときに俺は、気付いた。

「結城が好きだと・・・。」


しかし、俺は「教師」。彼女は「生徒」。

もし、万が一学校側に付き合っている(あくまでも付き合っている前提の話しで)ことがばれたら俺も結城も厳しい処分を受けなくてはならない。

だとした、学校側にばれないように付き合うしかないか・・・。

俺は、今気持ちを伝えるか、伝えないべきかで迷っていた。

(沙奈)

私は、悠奈に言われて初めて先生に恋したことに気がついた。

「告白してみたら?先生、イケメンだからすぐに誰かの物になっちゃうかもだよ?」

「けどさ・・・振られたら気まずくない?」

「そうかも知れないけど・・・先生が誰かの物になっちゃっても良いの?」

「嫌だ・・・告白する!」

「よく言った!絶対しな?」

「うん!」

「もし付き合えた時に先生へ何かプレゼントする?」

「う~ん・・・。けどさ、振られたらそのプレゼント無駄になっちゃうから付き合えたらにしようかな?」

「そっか。本当に良いんだね?」

「うん・・・。」

「迷いは、無いんだね?」

「うん!迷いは無いよ。」

「そっか。分かった。いつ告白するの?」

「そうだな・・・。あ!せっかく、TDLにいるからここでしようかな?」

「いいかも!けど・・・先生をどうやって呼び出すの?」

「頑張って探してみるよ!」

「わかった!」

その時目の前に先生を発見した。

「せんせーい!お話があるのでちょっと来てもらっても良いですか?」

「あぁ。いいけど・・・。」

私は先生と共に告白すると必ず成功すると言われる場所の前にやってきた。
(※場所は架空です。)

「で?俺に・・・話って何?」

「はい・・・。先生は、生徒と恋することをどう考えていますか?」

「俺は・・・、良いとは思う。けど・・・、たくさんの壁にぶち当たらなきゃいけないと思うんだ。」

「そうですか・・・。」

「あぁ・・・。話ってそれだけか?」

「いえ・・・。本当は、違うことを言いたかったんですが大丈夫です。
急に呼び出したりなんかしてしまってすいません。では・・・失礼します。」

私は先生には脈が無いと思い、悠奈を待たせてる場所へと戻ろうと歩き出した。

しかし・・・。

「待って。俺から、結城に伝えたいことがあるんだ。」

突然、先生に腕をつかまれた。

「私は、聞きたくありません。」

「仮に結城が聞かなくても、俺は話す。」

「勝手にしてください。」

「わかった。結城は、俺なんか眼中に無いと思う。けど・・・、俺は結城が好きなんだ。
結城の笑顔を見てると俺まで笑顔になれる。結城が悲しげだと俺も悲しくなる。教師と生徒ってことで、たくさんの壁があると思う。けど、俺は結城がいないと駄目なんだよ。
だから・・・ずっと俺の隣で、傍で笑っていてくれないか?」

先生は、私の返事を待たずにぎゅっと抱きしめた。

「先生。私のことずっと大事にしてくれますか?」

「もちろんだよ。ずっと、一緒にいるよ。」

「本当ですか?」

「本当だよ。俺は嘘言わない。」

「信じて良いですか?」

あまりの、嬉しさに涙が頬を流れ出した。

「もちろん。」

「では、信じます。先生、大好きです。」

その言葉を聞いた瞬間先生は嬉しそうに、照れくさそうに笑った。

「キス・・・して良い?」

「どうぞ・・・。」

先生は私の唇にそっと、優しい、キスをした。

「俺、結城のこと[沙奈]って呼ぶから、沙奈も敬語無しで俺のこと[大斗]って呼んで?」

「いいの?」

「いいよ。彼女なんだから、当たり前だろ?」

「嬉しい。」

「俺も嬉しいよ。」

「大斗、番号とアドレス交換しよう?」

「あ、そうだったな。ごめん、ごめん。忘れてた。」

「大丈夫だよ。赤外線で良い?」

「いいよ。」

(大斗)

俺は、お土産を見ている振りをしながら、松井と沙奈(元:結城)の会話を聞いていた。

すると、松井が「先生のこと好きなんでしょ?」と話しているのを耳にした。

俺は、内心「まじか?」と思いながらしばらく話を聞いていた。

数分経過してから、沙奈が俺の元にやってきた。

「先生、お話があるのでちょっと来てもらっても良いですか?」

俺は、承知の返事をした。

そしたら、沙奈は俺を告白すると必ず実ると言われている有名な場所へ連れて行った。

    (※話を省略)

俺は、俺の傍を離れようとする、沙奈の腕をつかんだ。

そして、告白した。

「結城は、俺なんか眼中に無いと思う。けど・・・、俺は結城が好きなんだ。
結城の笑顔を見てると俺まで笑顔になれる。結城が悲しげだと俺も悲しくなる。教師と生徒ってことで、たくさんの壁があると思う。けど、俺は結城がいないと駄目なんだよ。
だから・・・ずっと俺の隣で、傍で笑っていてくれないか?」

すると、沙奈は

「先生。私のことずっと大事にしてくれますか?」

俺は、物凄く嬉しかった。
しかし、それと同時に生徒との恋愛に対して不安を感じてしまった。

けど、その不安をなるべく沙奈には気付かれたく無くて、バレないようにしていた。

俺の腕の中で「嬉しい。」とつぶやく沙奈をもう一度存在を確かめるかの様にぎゅっと抱きしめた。

(沙奈)

先生から、告白してくれるとは思ってもいなかった。

先生は私をぎゅっと抱きしめたままで動こうとしなかった。

「大斗、私ね大斗にプレゼントしたいの。買いに生きたいんだけど・・・。」

「俺にプレゼント?なんで?」

「悠奈と話してたんだ。もし、大斗と付き合えたら記念にお揃い持ちたいなって思って。」

「いいけど・・・。何が、欲しいの?俺、買ってやるけど。」

「キーホルダーとかがいいんだけど・・・。」

「けど・・・?」

「大斗と付き合ってるって他の生徒にバレたら大変だから私1人で行く。けど・・・、1人じゃ不安だから悠奈と一緒に行って来るね?」

「俺は、バレたって平気だよ。俺は、沙奈の彼氏なんだから。俺は、沙奈の前では教師じゃないの。学校のときは別だけど。だから、今は沙奈の彼氏として一緒にいたい。だから、松井なんかとじゃなくて俺と行こう?」

「大斗、良いの?」

「いいよ。行こう!」

「うん。ありがとう!」

私達2人は、お土産屋へと足を運んだ。

「沙奈、松井に連絡しなくていいのか?待たせてるだろう?」

「あ!忘れてた。・・・メールで平気かな?」

「大丈夫だろう。俺のことは気にしなくて良いからメールしてやれ。」

「ありがとう。・・・大斗。」

私は大斗の優しさに浸りながら、悠奈にメールをした。

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[宛て先:松井 悠奈]

[件名:報告だよ(^^)]

[内容]

実はね、広瀬先生と付き合うことになったんだ☆

悠那の協力があったから付き合うことが出来たんだと思う♪

ありがとう♪それでね・・・、今広瀬先生と一緒にいてしばらく戻れそうに無いの・・・。

ごめんね・・・(泣)

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私は、送信ボタンを押して待ち受けに戻した。

しばらくして、返信が戻ってきた。

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[宛て先:結城 沙奈]

[件名:おめでとう!(^^)]

[内容]

報告ありがとう♪それと・・・おめでとう!♪

私は、何の協力もしてないよ☆

先生と沙奈の気持ちが両方一緒だったから実った恋なんだよ!

けどね・・・、生徒と教師の恋にはたくさんの壁があるし、試練や困難だってたくさんだよ?

だからと言って、諦めないでずっと、ずっと先生と一緒にいるんだよ?

私は、周りが何と言おうと一番近くで2人を見守ってるからね♪☆

今は2人の時間を楽しみな?私は、1人でゆっくりするから !
あ!高良くんと過ごそうかな?♪

どっちにしても、分かりきってたことだし、私は私で過ごすから、沙奈は安心して先生と過ごして来な?

た・だ・し・・・、帰りのバスでは寝かせないから、覚悟しててね?

いってらしゃい!

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「大斗、悠奈が楽しんで来な!だって。」

「松井に感謝だな。」

「本当だね。」

私は、悠奈に感謝しながら返信のメールを返した。

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[宛て先:松井 悠奈]

[件名:ありがとう]

[内容]

ありがとう!・・・悠奈には感謝しても、しきれないよ♪

絶対、幸せになるから!・・・ってか、幸せにしてもらう!(照)☆

覚悟します。(笑)

ってか、悠奈の恋を応援するよ!

ファイト!

あ!お土産屋さんに行くから何か買ってくね?

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私は、返信ボタンを押して、携帯をしまった。

私達は、手を繋いでお土産屋さんに行った。

「沙奈、どこから見る?」

「悠奈にお土産買いたいから、キーホルダーコーナー行っていい?」

「いいよ。ってか、沙奈が行きたいところ行こう?」

「いいの?・・・嬉しいけど、大斗が行きたい場所は無いの?」

「俺は、沙奈とならどこだっていいよ?」

「ありがとう。・・・嬉しい。」

「いいえ。・・・ってか、そんな可愛い顔するな。」

「なんで?」

「あまりにも可愛すぎて、俺の理性が持たなくなるから。」

「///・・・そんなこと平気に言わないでよ///」

「ごめん、ごめん。抱きしめて良い?」

「そんなこと聞かないで抱きしめて欲しいな?」

「ありがとう。」

大斗は、そう良いながら私をぎゅーっと抱きしめた。
すると、ムードを壊すかのように、私の携帯がなった。

「ごめん。。。メールだ。」

「いいよ。俺のことは気にしなくていいからメール見て。」

「ありがとう。」

私は、携帯を開いた。


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[To:結城 沙奈]

[件名:いいえ(^^)]

[内容]

いいえ☆

うん♪そうしてもらいな!

ありがとう~。私も、頑張るから。

実はね・・・今隣に高良くんいるんだ♪

だから、告白しようかな~。

絶対、話し聞くからね?

あと、お土産期待してるから☆

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私は、送信して携帯を閉じた。

すると、それに気付いた大斗がお土産を選んでた手を止めて私の方を微笑みながら見てきた。

「メール、返したのか?」

「うん!返したよ!・・・待っててくれてありがとう。」

「いいえ。けど、若干寂しかった。」

私は、思わず可愛いと思ってしまった。

「そっか。ごめんね?」

「いいよ。可愛い沙奈だから許す。」

「///平気な顔して可愛いとか言わないでよ///」

「ごめん、ごめん。けど、本当じゃん?」

「も~///」

「お土産選ばなくていいのか?時間なくなるよ?」

「本当に!?」

「おぅ!」

私達は、キーホルダーのコーナーで悠奈にミッキーのキーホルダーとぬいぐるみを買った。

そして、2人でアクセサリーコーナでお揃いのネックレスと指輪を買った。

すると、大斗が

「俺さ、まぢ幸せかも。」

「なんで?」

「沙奈と出会えたし、お揃いのネックレスと指輪まで買えたし。まぢで、沙奈には感謝してもしきれないな。ありがとう。」

「いいえ。私なんか何もしてないよ。私だって大斗とこうして付き合ったりすること出来ないと思ってたのに、付き合えるんだもん。めちゃくちゃ、幸せだよ。ありがとう!」

「いいえ。俺は、何にもしてないよ。」

「してるよ。」

「してない。」

「してる。」

「してない。・・・ってか、このくだり落ちが無いからやめないか?永遠に続きそう(笑)」

「そうだね。」

結局、お金を出すと言った私を差し押さえて、悠奈や私の家族へのお土産やお揃いのネックレスと指輪のお金など全て大斗が払ってくれた。

しかも、大斗はクラスのみんなへのお土産、先生たちへのお土産、他のクラス(F組以外)へのお土産まで買っていた。(※F組はディズニーランドへ一緒に来ています。)

そんな、大斗を見て、物凄く優しいなと感じたと共に改めてこの人の彼女で良かったと思った。

「ありがとう。全部お金払ってくれて。後で必ずお返しするから。」

「お返しなんていいよ。大丈夫だから。」

「けどさ・・・。」

「けどじゃ無いよ。俺が、好きで払ったの。だから、気にするな。」

「本当にいいの?」

「うん。それよりさ、沙奈って誕生日いつ?」

「8月29日だよ。大斗は?」

「俺は、7月19日だよ。」

「なんで、誕生日なんて聞くの?」

「いや。意味は無いけど俺、もっと沙奈のことを知りたいなって思ったから。」

「そっか。」

私達は、お土産を買って小さなカフェ(※場所は架空です。)に入って休憩していた。

すると、また私の携帯がなった。

(※これは、本来ならば前ページに加えなくてはならない文ですが、私情によりここへ追加させていただきます。)

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[To:松井 悠奈]

[件名:ファイト(^^)]

[内容]

本当に?良かったね。

告白はした?

良い結果待ってるね?

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(※ここからは、戻ります。)

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[To:結城 沙奈]

[件名:成功したよ!]

[内容]

高良くんに告白しようとしたら、告白されちゃった!

嬉しいよ。

きっと、先生と沙奈が見守ってくれてたからだよ。♪

ありがとう!☆

先生って私と高良くんのこと知ってるの?

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私は、返事を返した。