あー
さみぃ…


ふと見たコンビニの裏、

小さな白い手が見えた…―





…人か?

覗くと、

…やっぱり…


ちっせぇ猫みたいな女が
虚ろな目でしゃがみこんでいた

ほっとけばいいものの、
なぜか俺は話しかけていた…



一緒に来るといったこの猫に

フッと笑った


お前を見つけたその時から
俺はお前に惹かれはじめて
いたのかもな…―



私は今、
ある高級マンションの
最上階にいる…―

あの男の人のひとに
急にお姫様抱っこをされて
つれてかれたこの部屋…

彼の部屋なのかな…

てゆーか…金髪だ…



私をソファーに座らせると
机にホットココアを置いて
彼も隣に座った

「冷えてんだろ、飲め。ココアでよかったか?」

また首を縦に振る


ゴクン

…あったかい…



「名前聞いていいか?俺は笹原竜可(ささはらたつか)。」

「安城冬李(あんじょうふゆき)…」

「そうか。歳は?俺は高3だ。」

「高1…」

「そうか。」

なんか、この男の隣、安心する…

そう思っていたら
段々うとうとしてきた



こてっ、と首が落ちた

「冬李、眠いか?」

あ、初めて名前呼ばれた…

なんか心地いい…

「…ん…」

話し掛けられても
ほぼ夢の中の私

ふわふわと持ち上げられて
どこかへ、運ばれているような気がした…―



「…ん」

ここ…

あ、竜可の…


なんか久しぶりにぐっすり寝れた気がする…


「冬李、起きたか…?」

眠い…
もうちょっとだけ…

人肌が恋しくて竜可に擦り寄った

ぎゅうっ

あったかい…


抱き着くと頭を撫でてくれる

そしてまた夢の中へ
落ちていった…―


―――
「…き、…ゆき、冬李…」

「…ん…?」

竜可の声が聞こえて目をあける

「もう昼だ。起きろ。」

「うん…」

そうは言うものの
なかなか起きられない

そのままずっと抱き着いていると

「ほら、飯食いに行くぞ。」

竜可はそういって
私を抱っこした