「翼君

 それはね

 夢なんかじゃないよ」


そう

それは本当にあった事


「その貝殻の事覚えてる?」


「当たり前じゃん!

 ちーちゃんに貰ったんだ!」


目をキラキラさせて

嬉しそうに話すキミ


「そうだよ

 それは本当に私があげたの

 夢なんかじゃないよ」


ホント

現実って何があるかわからない

入院してる翼君に会えるなんて

現実はありえない事

でも今

こうして翼君と並んで歩けるって

あの夏休みのおかげだと思う


「好きだよ

 翼君

 会えてよかった」


本当に翼君に会えてよかった


「え!?

 急にどうしたの!?」


そんなに珍しい?

何だか急に恥ずかしくなる


「ただなんとなく言いたかっただけ!」


何て照れ隠し

隣でクスクスと翼君は笑う

~~~っ!

絶対私顔赤くなってる・・・


「俺も茅捺の事

 好きだよ」


・・・ずるい

いきなり名前ってずるくないですか・・・

もっと顔が熱くなる

でも

こんな所も

好きなんだ


*