『何お前付いて来てんだよ!

 部活行けよ!』


『だってこっちの方が

 面白そうじゃん!』


『はぁ・・・・』


『なぁ翼ー

 やっぱ俺の妹に言って

 ちーちゃん紹介してもらったらいいじゃん』


『だーかーらー!

 俺はそういうのイヤなの!

 俺は俺の力で今年の夏休みを

 ちーちゃんと過ごすの!』


『でも相手は面識ない中学生だぞ?

 急に告白しても逃げられるってー』


『面識ならちょっとはあるもん!

 あっ

 ちーちゃんだ!

 行ってくる!』


『おー

 がんばれよー』


――――あの日

セミの声を掻き消す

ブレーキの音の中

私が見たのは

青い空に飛んだ

青いスニーカー


*