「はぁ、どうしよう」
とはいっても、
電車を待つしかない
でも、まだまだこないし…
「あ!タクシー!」
勢いよく立ち上がり
辺りを見回すと
タクシーなんかくる気配がない
「うぅ…」
なぜだ!なぜこんな田舎に来てしまったんだ!?
もう一度杏里に助けを求めようと
カバンを探っていると
寒さのせいで
人生で一番大きいんじゃないかってくらいの
くしゃみがでた
「うー。…あぁぁぁー!」
くしゃみとともに
手に持っていたケータイは
側溝におちてしまった
「え。なにそれ。
お前まで私を裏切るのか?」
急いで網を開け
中を覗くと
ケータイは流れてしまったあとだった
「運悪すぎだよ…」