できるだけ人のいないところで
風に当たりたかったから




旅館の裏庭らしきとこの
ベンチに座った






涼しいような
少し肌寒いような風が吹く





「似てる・・」




あの日に似てる



あの日の夜も
月が半分以上かけていて


三日月とは言えない
ただ寂しい月だった




風もあの時は
肌寒く感じた




少し冷えた自分の肌を
涙がただひたすら伝ったあの日






忘れたい過去なのに
忘れたくない


忘れることができない




過去に縛られる私は
あの寂しい月に似ていた