「もしもし?」
「・・・うん。」
「あぁ、どした?」
少しトーンの低い彼女の声、文句の一つも言いたい気分だったのが、逆に心配にさせる。
「いや、何かちょっとね、わかんないけど。」
「それじゃこっちもわかんないよ。」
困った様に切り出す彼女に、つい苦笑いを返す。
「ただ・・・・」
「ただ?」
「何してるかなって。」
「・・・・・」
薄いカーテンを開くと、真っ先に狭い夜空が視界に入る。
あぁ何だ、世界ってこんなにもちっぽけなんだ。
「会いたいって、思ってたよ・・」
「・・・え?」
ボソッと呟いた俺の声に、本当に小さな貴女の躊躇う声。