「ふぅー・・・」


月明かりに照らされた薄暗い部屋の中、細く吐き出された煙草の煙りだけが揺れる。


膝を抱えたまま身動き一つせずに、机の上、震え続ける携帯を睨んだ。



着信中の表示から、不在着信に切り替わる瞬間


「・・・はぁー・・」


その度に後悔する。

思春期の純情な少年じゃあるまいし、ただ想いを寄せてるだけ。

コールが途切れてしまえば、確かな繋がりなど何一つないのに、想いばかりが深く掘り下げられていく


「馬鹿馬鹿しい。」



携帯を乱暴に拾い上げて、スクッと腰を上げた。