一時して、裏口の扉が開いた


凌かと思っていたが…


店長らしき女性が出て来た



「あれ?誰か待ってるの?」


「あの、佐野くんを…」


「佐野くん…あぁ凌くんね♪ちょっと待っててね」



女性はまたお店に戻って行った



お店の中で作業をしていた凌を見つけた店長が



「凌くん、彼女さんが待ってるよ〜」


「はぁ?彼女?」



仕事が済み、帰る準備をしながら



「彼女じゃないですよ。」



無表情でサラッと店長にそう言うと


店長は両手を腰に当てて



「素直じゃないねぇ〜、正直に彼女って言えばいいのに真面目だよね〜」


「だから彼女とかじゃないんですって」



凌は笑いながら取っ手を開けた




「ごめん、待たせた」