《わざわざ、来てくれてありがとう》 巧みな手話で迎え入れられた。 《その辺に適当に座ってて。 すぐ来ると思うから》 その時、インターホンが鳴った。 《ほら、ね?》 真菜(まな)は「ちょっと待ってて」と口で言うと、玄関に向かった。 ワタシの耳には入ってこないけれど、表情と口の動きと手の動作で、大体は分かる。 そして、次の瞬間に、ワタシは運命の出逢いをしたのだ。