「じゃあ靴箱のところまで一緒に行こうよー」
まるで、女子にありがちな「トイレに一緒に行こうよ」みたいなノリで誘われる。
「……靴箱のところまで、だったらいいよ」
それ以上はごめんだと言わんばかりに、俺は念を押してそう答えた。
靴箱までの短い距離。
彼女は限られた時間を1秒でも無駄にしないよう機関銃のごとく喋り続けた。
お菓子作りが得意だとか。
今度マフィンを作ってきてあげるとか。
俺が適当に、うんうんと相槌をうつたびに、彼女はひどく喜んだ。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…