“ちゃんと、見つけてね” 最初に出会ったとき、カヤがそう言ったのを思い出す。 「……麻友ー。帰るぞー」 「あっ、うんー」 ハンカチを一心不乱に振り続ける蜂谷を迎えに来たのは、隣のクラスの磯辺修也。 つまり、蜂谷の彼氏ってやつだ。 今回も前途多難だ。 異常なまでに嫌われているうえ、“彼氏”というお荷物つき。