物心ついたときからやってきた完璧な下準備。

なのに、すべてを水の泡にしてしまうほどの大問題が起きた。




それは、“蜂谷麻友”というクラスメートとして生まれ変わったカヤが。

“小林瑠衣”という、努力の末に勝手に築かれたハーレムの主でもある俺を。




……とんでもなく毛嫌いしていることだった。






「……蜂谷。これ、おまえのだろ?」




帰りのホームルームが終わった直後。

蜂谷がハンカチを落としたのを見た俺は、親切に拾って差し出した。